ATF研究助成
※2023年11月 財団名称変更により ATF研究助成に変わりました。
2018年度ATI研究助成の採択テーマは下記のとおり決定されました。
- 応募数 : 74件
- 採択数 : 5件
- 助成金総額 : 500万円
No. | 研究題目 | 氏名 | 役職 | 所属研究機関 | |
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1 | 局在プラズモン共鳴を用いた 新奇スピントロニクス機能の開拓 |
近藤 浩太 | 研究員 | 理化学研究所 | |
異種金属界面や金属/酸化物界面などの空間反転対称性の破れた系では、特異な磁気構造やスピン変換機能など興味深い物性の発現が知られている。今回、プラズモン共鳴によって励起される高周波電磁場をこれらの界面に印加することで、新規スピントロニクス機能の開拓をめざす。 | |||||
2 | 気相共鳴ラマン分光を用いた ヘムタンパク質のナノ水和構造の解明 |
浅見 祐也 | 助教 | 学習院大学 | |
生体分子は水環境で機能するため、周囲に存在する水分子の影響を強く受ける。特に分子量の大きなタンパク質ではその影響が顕著であると考えられるが、現状の分光手法ではタンパク質-分子に対する水の影響を分子レベルで制御し、段階的に水和の影響を考察することは困難である。本研究では、独自に開発した液滴を利用した気相共鳴ラマン分光法を用いて、気相ヘムタンパク質に対する水和数と微細構造の関係を分子論的に解明する。 | |||||
3 | 細胞内RNA輸送を観察可能な 多機能ナノピペットの開発 |
周 縁殊 | 特任助教 | 金沢大学 | |
神経細胞樹状突起内のRNA輸送の機能と制御メカニズムを理解するには、位置情報を含む伝令RNAの網羅的解析が重要な課題である。本研究では、近年、申請者が開発した【A】細胞表面の非侵襲的形状測定と【B】細胞内物質の極微小量回収を両立可能な多機能ナノピペットを基盤として、探針設計・回収プロセスの改善とともにRNAシーケンシングとの融合により神経細胞樹状突起内で起きる伝令RNA輸送の網羅的計測を行う。 | |||||
4 | 細胞内ナノ領域に生じる温度を計測可能な 量子センサーの創出 |
外間 進悟 | 学術振興会特別研究員 | 大阪大学 |
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熱が生命現象に影響を与えることは古くから知られているが、現状、それが細胞レベルでどのように機能しているかは不明な部分が多い。本研究では、粒子径が4nm程度と微小なダイヤモンドナノ粒子を応用して、細胞内のナノ領域に発生する熱を高精度に検出可能な量子センサーの開発を行う。これを利用し、ミトコンドリア内部に生じる温度の分布を可視化することによって、熱と生命現象の関係を明らかにすることを目指す。 | |||||
5 | 原子分解能電子顕微鏡法に基づいた 結晶界面の三次元構造再構築 |
馮 斌 | 助教 | 東京大学 | |
近年、二次元の原子分解能電子顕微鏡に基づいた三次元構造再構築に関する研究が盛んにおこなわれているが、原子配列の周期性が乱れた結晶欠陥においては、未だに実現されていない。本研究では、原子分解能走査透過型電子顕微鏡を用いて、セラミックス粒界を異なる結晶方位から観察し、逆投影等のアプローチの試みることで、粒界における三次元構造の再構築を目指す。 |