バイオ単分子研究会
委員長 西野 吉則(北海道大学電子科学研究所教授)
●研究会コンセプト
生命現象を動的な分子レベルから理解 することは、生物学の究極の目標の一つである。これは量子力学的な「デジタル」世界と古典統計力学的な「アナログ」世界とを結び付けるという、自然科学の壮大な問いにも通じる。
特定の立体構造をもったタンパク質分子やその複合体は、あるものは精密な「デジタル」な分子機械として振る舞う一方で、あるものは熱的なゆらぎを受けて「アナログ」な動的機能を発現する。DNAを介して「デジタル」な遺伝情報は次世代に正確に受け継がれるが、エピジェネティックな制御により「アナログ」で多様な表現型に道が開かれる。
さらに、生物は雄大な時間スケールで大進化を起こす。このように、生物は、確実な動作や情報伝達を行うデジタルな世界と、多様性と個性をもったアナログな世界を巧みに使い分けて自らを制御している。多数の分子のアンサンブル(集団)平均や時間平均ではなく、生物試料を、生きた細胞の中や生きているに近い環境で、分子レベルで理解するには、多岐に亘る革新的な技術開発が求められる。
本研究会では、様々なプローブを用いた単分子レベルでの計測技術や、細胞の動的制御技術、さらには情報科学や理論など、様々なアプローチから、生命現象の動的な分子レベルからの理解を目指す議論を交わすことを目的とする。
●会員名簿
(委員長) | 西野 吉則 | 北海道大学 電子科学研究所 | |
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(会員) | 渡邉 力也 | 理化学研究所 渡邉分子生理学研究室 | |
佐々木 裕次 | 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 | ||
大島 泰郎 | 共和化工(株) 環境微生物学研究所 | ||
飯野 亮太 | 自然科学研究機構 分子科学研究所 |
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宮澤 淳夫 | 兵庫県立大学 大学院生命理学研究科 | ||
小松崎 民樹 | 北海道大学 電子科学研究所 | ||
平野 美奈子 | 光産業創成大学院大学 光バイオ分野 | ||
杤尾 豪人 | 京都大学 大学院理学研究科 | ||
城地 保昌 | 高輝度光科学研究センター | ||
須藤 雄気 | 岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科 | ||
秋山 修志 | 自然科学研究機構 分子科学研究所 | ||
古田 寿昭 | 東邦大学 理学部 | ||
養王田 正文 | 東京農工大学 大学院工学府 | ||
田口 英樹 | 東京工業大学 科学技術創成研究院 | ||
2019年4月現在 |
●開催状況
2018年度 < 活動報告書 >
・第1回:2018年7月5日(東京)
・第2回:2018年12月13-14日(神奈川県)
2019年度 < 活動報告書 >
・第1回:2019年9月13日(千葉県)
・第2回:2019年11月24-25日(山梨県)
2020年度 < 活動報告書 >
・第1回:2021年3月30日(オンライン)